電力をはじめとするエネルギーの安定供給は、国民生活に必要不可欠なものであると同時に、安定した経済活動をおこなう上でも重要な要素です。
現在、世界のエネルギーの大部分は石油や石炭などの化石燃料に頼っていますが、その資源には限りがあります。
今後、世界のエネルギー需要は、経済発展や人口増加に伴い、中国やインドなどアジア地域を中心に増大することが予測されており、消費国による資源獲得競争が激化していくことでしょう。
そんな中、特にエネルギー資源の乏しいわが国では、大部分を、サウジアラビア、UAE、カタールといった中東諸国からの輸入に頼っています。これらは世界、特に中東諸国の国内情勢に大きく左右されるという危険性を伴うこととなり、今いかに安定した国産エネルギーの割合を増やすことができるかが、重要な課題となっています。
現在、様々な新エネルギーの開発も行われていますが、自然エネルギーで大量の電力をつくるには、広大な土地や大掛かりな施設が必要な上、天候等の自然環境にも左右されるため、現在の技術では安定して大量の電力をつくるには難しい状況にあります。 多量のエネルギーの安定確保を考えると、石炭、石油などの化石燃料資源を節約し、世界中に幅広く存在し、国内情勢の安定した国々からの確保が可能なウランを燃料とする原子力発電が一定量必要ではないでしょうか。 また、原子力発電では使い終わった燃料を再処理することにより、リサイクルすることが可能であり、発電時にCO2を出さない、環境に優しいクリーンなエネルギーであるという点からも、地球温暖化防止にも有効な発電方法といえます。